小説
6年ぶりの東野圭吾さんのガリレオシリーズ最新刊です。 食堂の看板娘で歌手を目指していた佐織が突然行方不明となり、数年後に遺体となって発見されたところから物語は始まります。
この作者はすごい。文字だけの表現、という小説の強みと弱点を最大限に生かしている。得体の知れぬ化け物に恐怖していたはずなのに、突然恐怖の対象がひっくり返る瞬間がある。映画館でホラー映画を見て楽しんでいたらなんと見ている自分がお化けだった、そ…
司馬遼太郎というと長編時代小説。この大阪侍は珍しく、短編ものが5編という構成で非常に読みやすいです。幕末の時代小説ではありますが、現代にも通用する人生における大事なものは何か?を訴えかける物語で何回でも読みたくなるような本です。中でも「盗…
この小説は、第25回織田作之助賞を受賞した、朝井まかてさんの作品で、江戸時代の大坂を舞台に、井原西鶴とその一人娘のおあいの物語です。「好色一代男」や「世間胸算用」などを創作した井原西鶴の創作に対する思いを、一人娘で目が不自由なおあいの視点か…
映画ペンギン・ハイウェイを見たのをきっかけに、実際の小説はどんな感じなんだろうと思って読んでみました。先に映像化されていたのを見ただけあって話はすんなりと頭に入ってきました。
大学の授業で扱われていたものだったのですが、結局テスト前に読み終わらず、夏休みに読み終わりました。一巻で完結しますが、分厚く文字も小さいうえに文体も古いため、かなりボリュームがあります。原典で呼んだほうがよかったかなと思う時もありました。
富士山頂に気象観測所があるのはご存知の方も多いと思う。では、その観測所がいつ、どのようにして、建てられたのか知っている人は少ないのではないだろうか。
俳優の大泉洋さんが大好きなので、表紙を見ただけでフラフラと吸い寄せられるように手に取ってしまった一冊です。小説で、実在する芸能人を当て書きするというのは、なかなか珍しい試みなのではないでしょうか。
先日、裏表紙を読んで気になったので購入しました。長編だったので数日に分け、じっくりと読んでみました。時間があまり取れなかったので数日になってしまいましたが、もし時間があれば1日で読み切りたいと思わせる内容でした。
ヨシタケシンスケさんらしさが満載のイラストエッセイ集です。タイトルにある通り、ヨシタケさんの人生において「自分にはできないままなこと」の数々を紹介しています。ヨシタケさんはかなり長身で体の大きな男性のようですが、言動は女の子かと思うような…
多重人格であることが判明した重興ですが、無垢な少年として登場する琴音、いやらしさをまとった女、羅刹と名付けられた凶暴な男、このすべてのキャラクターが見事だと思いました。
北見藩藩主である北見重興は、成り上がりの伊東成孝を重用するなどして家老衆の反感を買い、強制的に隠居させられるところから物語は始まります。この押込には裏があり、実際の理由は重興が精神を病んでいることにありました。
「ふらここ」とは、ブランコのことです。診療所の庭にブランコのある江戸時代の医者の話です。ブランコのように、ふらふらと自分勝手な医者に、娘の「おゆん」は振り回されてばかりいます。母を早くに亡くし、近所の人たちに支えられて育ちましたが、今では…
彼氏にフラれ会社もリストラにあった木崎朋美が、ジョニー・デップ風イケメン弁護士の城之内隆一にバーでスカウトされて弁護士事務所で働き始めるが、実はその事務所の実態はなんとお祓い本舗!美少年高校生バイトの高橋海斗と共に魑魅魍魎を退治していく、…
話はさりげなく始まっていきますが、どんどん怖くなっていくホラーです。「祝山」とは、じつは「いはい山」(位牌山)なのです。
恋人とか、結婚とか、生産性とか、老後とか、資産とか、そういう言葉に絡め取られて、ちょっと息苦しいなぁと思った時。
この小説はあらすじだけでも面白いです。 宅間という刑事はとある事件の犯人だと誤解され、逮捕されて10年も刑務所で暮らす羽目になってしまいます。その被害者が意識を取り戻し、宅間が犯人ではないと話したことで宅間は冤罪であったことが判明しました。そ…
大好きなシリーズの記念すべき第1作目です。目つきの悪いハイスペック警察官・新田と、プロ意識の高いホテルのフロントクラーク・山岸のバディものです。来年、木村拓哉さんと長澤まさみさんで映画化するらしく、そちらも気になります!
東野圭吾の作品は、ハラハラ、ドキドキしっぱなしで、犯人は最後までほとんどわからないです。 この作品も、読み進めるうちに、この人が犯人だろう…いや、この人だ!と想像しながら読みました。
「英雄の書」この本を何度読み返したことでしょう。元々ファンタジーものが好きで、宮部みゆき作品は多く読んでいます。「ブレイブストーリー」も面白かったです。
「南青山骨董通り探偵社」の続編です。やっと正式に探偵社に入社した「井上雅也」です。でも地味な仕事しかさせてもらえません。
江戸時代末期の任侠ものの話です。現代で忘れがちな義理と人情。人は「義理と人情のない奴は嫌い」などと口にしますが、本物の義理と人情とは何かを私は理解できませんでした。ただ理不尽。自分勝手な行動をする人に対し、「義理と人情がない」と現代の人は…
舞台は北海道・旭川。ごくごく普通の高校生・館脇正太郎は、とあるきっかけで名家のお嬢様・九条櫻子と知り合うことになります。しかしこのお嬢様、「三度の飯より骨が好き」と公言するほど骨を偏愛し、人付き合いが嫌いで携帯電話すら持っていない、なかな…
研修医の森永慧介が北海道から研修医として東京の総合病院に着任し、そこで自分の担当患者が連続して死亡しその原因に不審を抱くところから始まる。
主人公は2浪目の、浪人生。もう後がないと、まじめに必死に勉強して、無事に大学生になります。 まだまだ普通の青春小説かな~という感じで、物語は少しづつ動き始めます。
本のタイトルでもある「それから」とはどのような意味を持つのだろうかと疑問を感じつつ、本を読んだものの、最後の1ページを読むまでは何故「それから」が本のタイトルになっているのかと理解を示すことが出来ませんでした。しかし、最後の1ページを読み終…
夢枕獏 沙門空海 唐の国にて鬼と宴す3及び4を読んで この長編大作の2巻から始まって1巻に戻り、そして3巻と4巻、完読しました。 空海が唐に渡ってからの出くわした、玄宗や楊貴妃との長い年月を経ての関わりを楽しく読ませていただきました。
久しぶりに熱くなりました。真保さんの本をさしぶりに読んでいました 題名からしてユニークな本だったので、手にとって少し読んでみると面白そうなのでそのまま買ってしまいました。
ある町の科学館を舞台にこの物語は進行していくのですが、登場人物である主人公の祐人には、3人の幼馴染みの薫、理奈、春樹がいました。中学時代はこの4人で集い、町の科学館のプラネタリウムに設備された図書室で夏休みは勉強会を開いていました。そこであ…
小川糸の作品は、「ツバキ文具店」を読んで以来、主人公の過ごす日常を丁寧に描写する表現と自分でも作れそうな美味しそうなお料理、そして現代にも続く日本の良き慣習を魅力的に綴られるところに惹かれました。