2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧
天国はまだ遠く 瀬尾まいこ 人生で迷ったときに 仕事や人間関係に疲れた主人公が自殺の名所近くの民宿に泊まり、民宿の手伝いをはじめ平穏な日常を送るうちに、ここにいてはいけないと考えまた都会に戻って行く。瀬尾まいこさんの小説は自分の中に引っかかっ…
日本語ってこんなに変わる!:『日本語の年輪』(大野晋) 言葉は時代とともに変化するものと言われますが、いざどういう風に言葉が変わるのかと聞かれて答えられる人はほとんどいないでしょう。たとえそれが日本語をあってもです。『日本語の年輪』は様々な日…
生々しい終戦直後の混乱:『日本国憲法の200日』(半藤一利) 終戦70年を迎えて様々な戦争に関する本が出版されています。その多くは戦争を体験していない戦後の人が、歴史的に確定した事実について、自分の解釈を披露しているに過ぎません。はっきり言って「私…
「男はお金が9割」を読み、お金の稼ぎ方が分かった気がします。 里中李生著 読んでいて斬新な物事の考え方など、里中さんの著書は痛快に感じられることが多いです。悩める男性が辿り着く、教本のような印象が多いですが、この本は男とお金についての話です。…
資格を取ると貧乏になります 佐藤 留美 誰でも取れる、運営側の儲けに特化しているような民間資格、ではなく、弁護士や会計士などの、今まで儲かるとされてきた「士業」などが、制度改革のあおりを受けていかに収入を得るのに苦しくなりつつあるかと記した一…
「星籠の海」(下)島田荘司著 探偵・御手洗の事件簿 上巻でたくさんの事件とたくさんの不思議が、出てきました。下巻では話がもっと広がっていきます。 江戸時代へとさかのぼり、瀬戸内海で活躍していた「村上水軍」まで出てきます。話の広がりに圧倒されま…
「星籠の海」(上)島田荘司著 探偵・御手洗潔の事件簿 久しぶりに出版された「島田荘司」の長編ミステリー作品です。「星籠の海」ってどこなんだろう?という興味から読み始めました。 「星籠の海」とは、瀬戸内海のことです。潮流の流れが早く、流れる方向…
伊藤真の日本一やさしい「憲法」の授業 憲法について学習するための入門書として最適な本を探していて、書店で数ある関係書籍の中から選んで購入しました。
「危険なビーナス」:東野圭吾、実写化を望む 今期も、最近のペットブームに乗った動物が出る連続ドラマが放送されていますが、この小説もペットに関係していないこともありません。というのも、主人公の手島伯朗(てしま・はくろう)は、獣医師で動物病院勤…
中野信子さんの努力不要論を読んでの感想 努力不要論とは、いったいどういうことだろう?最近、世間一般では、夢を持って頑張りなさい、努力しなさい。という言葉が飛び交っているようですが、私自身、努力することが、大嫌いな性分なので、努力することが、…
ユニット、佐々木譲さん。ユニットが組まれ絡み合う作品です。 佐々木譲さんのユニットを手に取りました。 出版時期はかなり前の作品です。 主人公は二人。
直木賞受賞作、桜庭一樹さんの私の男がかなり面白い! 義父と娘の愛の物語です。ミステリ要素も絡みます。二つの殺人があります。主人公は、父の淳悟と娘の花。物語は花が結婚するところから始まり、過去に遡っていきます。私の男、のタイトル通り、淳悟は花…
「薔薇十字叢書 桟敷童の誕」 佐々木禎子著 「京極夏彦」の描く、「榎木津礼次郎」・「関口」・「京極堂」などおなじみメンバーのシリーズの小説を、「京極夏彦」のファンだった著者が新しく描き「京極夏彦」のもとで作られた「薔薇十字叢書」に、入れてもら…
「ピエロがいる街」 横関大・著 兜市役所の秘書課で働く今西比南子の目線で物語は始まります。市内にある製薬会社の移転により、財政難でピンチに陥る兜市。そんな兜市のリーダーは「開かれた市政、会いにいける市長」をスローガンに掲げる宍戸市長です。そ…
萱野稔人『カネと暴力の哲学』。政府は暴力機関であると定義する大胆な発想の社会解説本。 本書ではまず「国家は圧倒的な暴力を合法的に使える唯一の存在であって、これまで暴力の権利を駆使してきた」と定義されます。まるで反政府主義者による、無責任で破…
谷川正己『フランク・ロイド・ライトの日本』。建築家に関する本なのに、建築の話はあまりありません。 世界的な建築家フランク・ロイド・ライトに関する著書なのですが、全く意外なことに彼の手がけた建築物に関する話はほとんど登場しませんでした。建築家…
『どんぶり金魚の楽しみ方』(岡本信明・川田洋之介):どんぶりで金魚が飼える! 夏のお祭りやペットショップで金魚を飼ってもすぐに死んでしまった。こんな経験は誰もが持っていると思います。「やっぱり金魚を飼うにはしっかりした設備が必要なんだ」と考え…
『海辺で拾える貝ハンドブック』(池田等):ありきたりな海の貝にも名前がある 夏が近づくにつれて、今年も海に行こうとワクワクする人もいるでしょう。そして海に行けば必ず足元にあるのが貝。海水浴だと足を傷つけてしまうため、悪者扱いされがちですが、よ…
暗幕のゲルニカ 原田マハ:二つの時代が重なる 著者の原田マハさんは美術や芸術をモチーフにした小説を良く書かれていますが、この小説ではピカソのゲルニカが題材となっています。
犬の殺処分ゼロについての一考察に 著書 世界でいちばんかなしい花 作者 瀧 晴巳 現在での日本でペットを飼っていいる家庭は、相当数に上ると思いますが、その反対に、家庭で飼われていた犬が、飼えなくなった、犬が言うこときかない、はたまた寝たきりにな…
『本を読む本』(M.J.アドラー)は本の読み方を教えてくれる画期的な1冊 学校でも書店でもネットでも「オススメの本」はたくさん紹介されていますが、一方で本の読み方を教えてくれる本は皆無です。もちろん、ほとんどの日本人は学校や家庭で本に触れています…
ブライアン・スウィーテク『移行化石の発見』。進化を信じない人向けの、化石と進化の話。 進化における仮説を化石により実証した「事例」が多数紹介され興味深く読めました。古生物学上は、「生物の化石を発見し、それをもとに進化の流れを知る」という研究…
内藤陽介『事情のある国の切手ほど面白い』。動物切手に隠された政治的主張とは。 各国の郵便切手を紹介する著書ですが、政治的背景のある切手とその説明が並び、興味深かったりうんざりさせられたりしました。「事情をかかえた国」が発行する、その国の主張…
「老後親子破産」を読み、自分に何ができるのかを考えた。 NHKスペシャル取材班著 目を背けたくなるような題名の本です。私がなぜ、手に取ったかは目を背けたくなるような事実を受け止めなくてはいけない。いつ自分の身に降りかかるのかも知れない。今、充実…
田野大輔・柳原伸洋編『教養のドイツ現代史』。その実態は歴史と映画紹介本でした。 ドイツの近現代史に関する歴史本で、ビスマルクのドイツ帝国から東西ドイツの統一後までを俯瞰し記述されていました。しかし他の歴史本と大きく異なる点が、映画や漫画など…
マジカル頭脳パワー!!4巻目 バトルチャンピオンの道 日本テレビ 今とは一味違うクイズです。 マジカル頭脳パワーと聞くと昔20年前にテレビで放送されていたクイズ番組です。坂東英二さんが司会をつとめた番組です。何故こんな本が手に入ったかというと、たま…
「癒す心,治す心―自発的治癒とはなにか」アンドリュー・ワイル アンドリュー・ワイルさんには以前から興味がありました。初めて購入してみましたが,やはり面白くて,どんどん読み進めてしまいました。実際病気になって,医者にかかってもうまく回復しない…
川島隆太教授の脳力を鍛える150日パズル 川島隆太 勉強の知識を生かした問題もありとても面白いです。 私はクイズがやってみたいと思うようになり本屋に行き、クイズの本を買いました。どんなクイズが多いかというと空欄があり、空欄のところに漢字を入れる…
「りぼんにお願い」 川上未映子・著 芥川賞作家である川上未映子さんのお名前は知っていたのですが、これまで著作を読んだことはありませんでした。女であるという性意識をこれでもかと前面に押し出した作風だという勝手な先入観があり、加えてモデルさん顔…
「ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部」著:J.K.ローリング、他 ハリーはジニーと結婚し、2人の息子と1人の娘を授かります。物語の主人公は、息子のうちの一人であるアルバスです。アルバスはホグワーツに入学しますが、ハリーやジニーが卒業したグ…