」で便利でお安く。「りぼんにお願い」 川上未映子・著
芥川賞作家である川上未映子さんのお名前は知っていたのですが、これまで著作を読んだことはありませんでした。女であるという性意識をこれでもかと前面に押し出した作風だという勝手な先入観があり、加えてモデルさん顔負けの容姿の美しさもあって、自分にはとっつきにくい印象があったからです。
ところが先日、雑誌を読む習慣が無い私がたまたま美容院で手に取った「Hanako」に川上さんのエッセイが掲載されており、予想以上に面白かったので目からうろこでした。
女友だちが数人集まっておしゃべりしているような気軽な内容なのですが、突き詰めて深く考察しているところには独特な川上ワールドを感じます。アメリカドラマ「デスパレートな妻たち」にハマったこと、ポストカードや便箋などが好きでいつまでも使わないまま大事に保管することなど、自分との共通点を発見して静かに興奮しました。「マジで」とか「誰得」など、いまどきの言葉をサラッと使っていたのも興味深かったです。川上さんの他のエッセイもぜひ読んでみたいと思いました。
