」で便利でお安く。暗幕のゲルニカ 原田マハ:二つの時代が重なる
著者の原田マハさんは美術や芸術をモチーフにした小説を良く書かれていますが、この小説ではピカソのゲルニカが題材となっています。
9.11で最愛の夫を亡くしたアートキュレーターである日本人女性が、ニューヨークでゲルニカを展示するまでの奮闘や事件が描かれています。
その中に、ゲルニカの作者であるピカソを愛人のドラの視点から描いたエピソードも織り込まれ、ゲルニカの秘密に、物語が進むと同時に迫っていきます。
第二次世界対戦と同時多発テロそしてイラク戦争という時代が異なる戦争がともに描かれ、人々の争いを止め、平和をもたらすには何が必要なのか考えさせられます。
ピカソや美術、芸術と聞いて取っ付きにくさを感じる方もいると思います。
しかし、私自身はあまり芸術に詳しくありませんが、問題なく楽しむことができました。
一応はフィクションとされているので、本当のエピソードではないのかもしれませんが、ゲルニカという絵画へ親しみと興味が湧きました。
あまり芸術に親しみがないという方のはじめの一歩にもなると思います。
