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感想・書評『「この世の春」下巻 宮部みゆき・著』ネタバレ注意「主人公の多紀が男性陣にモテモテ」(レビュー)。 #読書

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多重人格であることが判明した重興ですが、無垢な少年として登場する琴音、いやらしさをまとった女、羅刹と名付けられた凶暴な男、このすべてのキャラクターが見事だと思いました。

一番親しげに接してくれる琴音によって徐々に真実が明らかになっていき、重興のためにひたすら尽力する多紀や石野織部、白田先生の姿は胸に迫るものがあります。五香苑の家守として長く勤めていた五郎助に実は裏の顔があったという展開には驚きましたし、五郎助と桐葉の父娘の悪意には戦慄が走りました。この親子をそそのかした真の黒幕の存在を考えると底知れぬ恐怖を感じ、半十郎が歯ぎしりする気持ちもよくわかります。
またこの下巻では主人公の多紀が男性陣にモテモテで、重興をはじめ白田先生にも半十郎にも大切に想われていて、少々妬けてしまうほどでした。重興と由衣が今でも想い合っていることや、白田先生の胸の内などを思うと複雑ですが、重興の第二の人生が多紀と共に幸多きものになることを祈りたくなるラストでした。