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感想・書評『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 太田紫織 「骨」にまつわるエトセトラ』ネタバレ注意「舞台は北海道・旭川。ごくごく普通の高校生・館脇正太郎」(レビュー)。 #読書

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舞台は北海道・旭川。ごくごく普通の高校生・館脇正太郎は、とあるきっかけで名家のお嬢様・九条櫻子と知り合うことになります。しかしこのお嬢様、「三度の飯より骨が好き」と公言するほど骨を偏愛し、人付き合いが嫌いで携帯電話すら持っていない、なかなかの変わり者。

櫻子さんは標本士としての一面を持つ一方、検視官としての知識も持ち合わせており、骨と死体の状況からそこに隠された真実を読み解く、探偵的な一面も併せ持っています。型破りな方法で真実を探す櫻子さんと、振り回されながらも事件解決に協力するようになる館脇くん。女性版ホームズ&ワトソンの掛け合いと謎解きがおもしろい、骨にまつわる新感覚ミステリーです。
櫻子さんの骨に関する知識と執着心には本当に脱帽です。ストーリーがおもしろいだけでなく、誰かに披露するとびっくりされるかも?な検視の知識も身につきます。博覧強記な櫻子さんには、ただただ驚かされるばかりです。そんな彼女に振り回されまくる館脇くんはちょっと気の毒な気もしますが。作中に「(喪服などに用いる)黒は、死に抗う『戦い』の色」という言葉があるように、「死」に対する印象が少し変わるのも魅力のひとつです。