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感想・書評『「騙し絵の牙」 塩田武士・著 大泉洋さん当て書き小説』ネタバレ注意(レビュー)。 #読書

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俳優の大泉洋さんが大好きなので、表紙を見ただけでフラフラと吸い寄せられるように手に取ってしまった一冊です。小説で、実在する芸能人を当て書きするというのは、なかなか珍しい試みなのではないでしょうか。

本の売れないこの時代に翻弄されながらも奮闘する出版業界の内情が生々しく描かれており、立派な社会派の作品でもありとても読みごたえがありました。きっと作者は相当に丹念な取材をしたであろうと想像します。
主人公である雑誌編集長、速水が大御所作家のパーティーで絶妙な話術を駆使し、いつのまにか輪の中心に入ってしまう様子がうかがえるプロローグ。その姿を眺めていた同期の小山内が、終盤では速水の意外な生い立ちと裏の顔を突き止め、その上での大逆転となるエピローグは実に見事です。様々な伏線が最終的にきっちりと回収されているのですっきりする読後感を味わえますし、中でも小説薫風に手紙を送ってきた読者の正体を知った時には、そうきたかとびっくりしました。久しぶりにいい本に出会えてわくわくした気分になれました。