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感想・書評『「この世の春」上巻 宮部みゆき・著』ネタバレ注意「北見藩藩主である北見重興は、成り上がりの伊東成孝を」(レビュー)。 #読書

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北見藩藩主である北見重興は、成り上がりの伊東成孝を重用するなどして家老衆の反感を買い、強制的に隠居させられるところから物語は始まります。この押込には裏があり、実際の理由は重興が精神を病んでいることにありました。

悪霊の仕業なのか何なのか原因を探るため奔走する人々の様子を、縁あって一連の事件に巻き込まれた各務多紀を中心に描かれていくストーリーです。
怪談話や人情話を盛り込んだ歴史小説を書かせたら、宮部みゆきさんの右に出る者はいないでしょう。さすがの筆力で、たくさんの登場人物たちの中で複雑に張りめぐらされた伏線も見事です。長編ですが面白くて一気読みしてしまいました。というか、宮部作品は長ければ長いほど読みごたえがあって読書欲が満たされます。
自分の意志とは関係なくわずか数年で夫と離縁することになってもその不遇に文句を言わず、懸命に父を看取り、重興の側に仕える勤めも凛とした態度で果たす多紀の姿に胸打たれます。五香苑で働く人々の尽力により重興がどう変化していくのか、どんな真相が待ち受けているのか、続きが気になる展開でした。