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感想・書評『風紋・下巻 乃南アサ・著』ネタバレ注意「犯人は、裁判で有罪になります」(レビュー)。 #読書

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「風紋」下巻 乃南アサ・著 犯人は、裁判で有罪になります。

母親を殺した犯人は、裁判で有罪になります。
警察での連日の取り調べのシーン、裁判所でのやり取り、それぞれが臨場感にあふれ、丁寧に描かれています。
被害者のプライバシーは暴き出され、加害者・被害者・それぞれの家族にマスコミが群がります。両家共に元の暮らしができなくなり、暮らしが大きく変わっていきます。
被害者の家族は、母親を亡くしたことによって、家族関係が少しづつ修復されていきます。一番大きな心の傷を負った次女は、なかなか立ち直ることができません。
人と交わるのが苦痛になった次女は、植物を相手に生きていこうと、将来の選択をします。加害者の妻は、子供を実家に預け、どんどん暮らしがすさんでいきます。
母親の墓参りで、次女と加害者の妻が出会うシーンが、この下巻の最後に出てきますが、結局はどちらも大きな傷を負っていることに変わりはありません。
それでも生きている限りは、日々暮らしていかなければいけないのです。
運命を狂わされ、心に傷を負った人たちを救う手立ては、ありません。時がたつのを待つしかないのでしょう。