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相撲協会の暗闇の深さを如実に語る貴乃花親方の引退「平成の大横綱が自ら花田家の相撲家系に幕を降ろした」 #気になるニュース2018年

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「平成の最後に平成の大横綱が自ら花田家の相撲家系に幕を降ろした」。相撲協会の問題は色々あったが、これほど後味の悪い問題は初めてではないか。
そもそも発端は「お世話になった恩師に合いに行く」目的で顔を出したら白鵬をはじめとするモンゴル勢が並んでいて、「態度が悪い」と皆の前でリンチを受けたのが始まり。本人はPTSDに陥り、全くのだまし討ちで被害を被った部屋の無骨な親方が廃業にまで追い込まれたこの事件。この背景には相撲協会と貴乃花、その父親の時代からの確執が複雑に絡み合った事情があるようだが、表向きは貴乃花の気難しい性格で片付けられてしまったように思う。
そして加害者側といえば、実行者は引退したものの断髪式まで行って華々しく祝福の内に土俵を去り、おそらく張本人と思われる白鵬は大したお咎めもなく、直後でも公然と貴乃花親方の批判をしても何の処分も受けずに優勝街道を今だ走っている。当日居並んでいた鶴竜、照ノ富士、石浦、石浦の父親(恩師)らの証言を取ったところで、結託していれば何も真実は語られない。相撲協会は真っ先に火消しに走り、内輪の問題で片付けようとする。それをよく知っていた貴乃花は協会内の規定に反し、直で警察に被害届を出し、理事会には曖昧な返答をした。
この事件をきっかけに全ての歯車が狂い始め、極めつけが自分の弟子の貴公俊が場所中に暴力をふるうという愚かな行動に出てしまい、完全に手足をもがれてしまった。ここで貴公俊を切ればまだ何とかなったと思うが、かわいい弟子にそれができなかったのが致命傷になった。
理事会をはじめとする相撲協会は、この時とばかりに追い込みをかけ、ついには一門所属決議を可決。今までの恨みつらみを根強く持つ親方衆から排他され、その上訴えは全く事実無根と認めよという踏み絵まで用意されたところで「廃業」という苦渋の選択をするに至った。
いやはやこの理不尽きわまりない顛末を見聞きするにつけ、まるで戦国時代の謀略を真近で見ているような気分になった。貴乃花親方は落ち武者のごとく心身ぼろぼろになり、袋叩きのように追い込まれ、最後は昔で言えば「切腹」に近い形で日本相撲協会から姿を消した。
各種メディアやネットでは連日賛否両論起こっていたが、本質まで掘り下げた報道は少なかったように思う。惜しむらくは、貴乃花は信頼できる後ろ盾「逝去」という形で次々に失い、巨大な敵に一人で立ち向かおうとしたあまり、協力者まで排除し、あまりに無謀で孤独な戦いを拙速に挑みすぎたこと、それをセーブしながらコントロールできる側近を持てなかったこと。
後援会の方が泣いておられた様子にはこちらまで泣けてしまった。日本の宝が消えてしまった。残念でならない。