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感想・書評『10年後の仕事図鑑』著者堀江貴文さんと落合陽一さん・ネタバレ注意「未来は、どうなるのか?という好奇心からでした」(レビュー)。 #読書

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「10年後の仕事図鑑」が我が家にやってきた経緯は、現在大学3年生になる長女の就職が近づいてきたため、今の日本は、どういう動きをしているのか、その未来は、どうなるのか?という好奇心からでした。
 本来子供に読ませるために購入した本を先に読んでみての倍ほど年齢の違う自分の考えと本の中に描かれている構想についてご紹介します。

 【堀江貴文さんとは】

 現在、メインの収入としている仕事がどれにあたるのか、それすらわからないほど多方面で活躍しています。つい最近では「堀江貴文ロケット」発射されました。(落ちました)さらに、その昔にはプロ野球チームやテレビ局を買収しようと計画し(失敗しています)その後のあのライブドア事件に繋がります。
 その堀江貴文さんは、彼独自の日本のこうあるべきビジョンというものを持っているようでそのことを落合洋一さんと交互に記述してあります。
 そして本の中での堀江さんの主張というのが10年後には「そうなる」というビジョンを語って進んで行きます。どうとらえるかは別として書いてあることについていくつか紹介します。

 【AIというなんでも出来るはずの機械を国民全員が使うようになる】

 まず、一般的に理系でもなくそういった普通の人に向けて話を展開するために、堀江貴文さんが考えていることをおそらく10分の1ほどのやさしい文章でかみくだいた表現になっています。なので本だけを読むのであれば中学生にも簡単に読める仕様です。
 ですが、そのAIという言葉が最初から最後まで頻繁に登場していきます。まずAIというものがどういうものであるのかが、一般市民にとっては深く把握している人は、それほどいません。ですから、なんとなく未来の先端技術が自分達の仕事の手伝いをしてくれて、自分の仕事が楽になるという筋書きになります。
 ここで気になる点ががあります。
 高校生においてもスマートフォンの普及率が94%になったという現在でも、それは10代20代30代の若者のことです。40代を過ぎてくるとそこではスマートフォンよりも圧倒的にパソコンの方を愛用する人達、もしくは専業主婦やパートなどAIどころか、こういった電子機器を全く使うことができない人達に圧倒的に変わっていきます。
 本の中でも介護用ロボットなどのテーマがあります。ですが、動かすのも指示するのもこの40代を過ぎたいわゆる「機械音痴」の人達がそのロボットを断ったの10年間で使いこなせるようになるでしょうか。もちろん20年、30年経ち、普通に電子機器に親しんでいる世代がくればそれも可能となります。ただ10年後というのは早急な話です。

 【ベイシックインカムと言う考え方の双極性】

 最近ちらほらと聞こえてくるようになってきた言葉に「ベイシックインカム」というものがあります。簡単に説明すると国民が税金を納めることで健康保険やインフラなどの恩恵を受けていま。そしてそこまで払い続けて、もし何かの事情で仕事ができない場合、生活保護という形や失業保険という対策も講じられています。それを「ベイシックインカム」という、もともと一定の金額を国民に渡すことで、生活が困った時にもそれに対応できるよう最初から組み込まれているシステムです。
 ただここで堀江貴文さんは「仕事がしたい人がすれば効率もあがるし、お金も儲かる、だからしたくない人は、ベイシックインカムだけで生活すればいい」と言っています。
 おそらく毎日が忙しすぎて24時間では足りないというような生活をして収入を得ている堀江貴文さんにとっては、仕事をしたい人だけすればいいという考え方は、あり得るのだと思います。何かを始めれば必ずお金になる。そういう才能のある人です。ですが、ほとんどの普通の庶民で仕事もそれほどという人たちのほうが、実際には本音の部分ではたくさんいるのではと思います。自分から何かを生み出したり突出した能力がないから普通の生活をしている。それが現実です。そのベイシックインカムとAIを駆使することで「働かない事を選んだ人達」が実際に生きていくことが可能になるかはわかりません。

【人それぞれに得意分野があり、みなが電子機器を駆使できるわけではない】

 電子機器にスマートフォンから入った若者は、実はパソコンでの作業をかなり苦手にします。電車の中であんなに素早くスマホを使えてもキーボードは、キーを見ても打てない学生がかなりいます。そのことについて堀江貴文さんの計画が後々の世界となるのであれば、おそらく足を引っ張って行く要因となります。エクセルが使えなくても大丈夫。とその本では何回となく出てきます。ですが、中年女性が求人広告を見れば「要エクセル」と大抵書かれています。そしてほとんどの主婦もパソコンが使えずに他の仕事を探しそこで働いています。
それなら「エクセルを習得すればいいじゃないか」という声が聞こえてきそうです。ですが、すでに中年です。これから頑張ってキーボードのブラインドタッチを練習しても、エクセルの関数を計算しようとしてもできません。そんな日本の状況では、優れた堀江貴文さんのような頭脳を持つ一部の人にしかできないことです。

【まとめ】

介護ロボットや、自動で農業をしてくれるロボット。そんな機械があれば人間は、本当に楽に生活していかれるでしょう。ただ、介護ロボットの不具合があってもそれを修理する能力は、必ず必要です。本の中のイラストで畑を耕すロボットの隣で本を読む人がいます。その人は、もしあぜ道に落ちてしまったロボットを手元のリモコンだけで救出し、修理することができるのか、そういったまた別のAIが登場するには10年では足りない気がします。