著者の代表作であるゴールデンスランバーや、死神シリーズ、陽気なギャングシリーズのように、犯罪や殺人、超能力は一切出てきません。
しかし、それでも伊坂幸太郎節は全開です。
恋愛や家族関係、友人関係の問題を中心に、トントンと展開していきます。
扱っているのは普通のサラリーマンや美容師、学生たちの恋愛模様、夫婦関係なのですが、オシャレでひねりの利いた会話、時系列の組み替えた場面転換で、ぐいぐいと先が気になることでしょう。
また、作品の登場人物は少しずつ交錯します。
特に、第一話「アイクライネ」に出てくる主人公の友人織田一真の通快で、さらに後々の作品にも脇役として登場し、場を和ませてくれます。
作中のいくつかで、ボクシングのヘビー級の試合が行われるのですが、それぞれ違う意味を持って関わってくるのも、短編集としての面白みの一つです。
ちょっと心に癒しを求めたいとき、人の優しさに触れたいときに、ぜひ読んで欲しい作品です。
アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎が恋愛をテーマにした珠玉の短編集ネタバレ注意「恋愛や家族関係、友人関係の問題を中心に、トントンと展開」(レビュー)。 #読書
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