伊坂幸太郎(作):ラッシュライフ
伊坂幸太郎小説の醍醐味とも言えるたくさんの登場人物。今回の作品も仙台を舞台にたくさんの人の人生が絡み合います。空き巣を稼業とする男、リストラされたおじさん、不倫する精神カウンセラーとその恋人の気弱なサッカー選手、極悪人極まる生粋の金持ちの画廊経営者、売れたい画家、宗教にはまる若者…誰もが救いを求め、毎日を必死に生きているんだな、と感じさせられるストーリーです。
リストラや不倫、バラバラ殺人。どれも日常からは少し離れたはハラハラさせられる事件のようですが、実は毎日この日本という国のどこかでは起きている出来事です。それを交差させ、スピーディかつ心にささる描写で描く伊坂幸太郎氏、すごいとしか言いようがない。私が一番憧れるのはプロの空き巣、黒沢。空き巣という犯罪をこんなにも美しくこなす彼には畏怖すら覚えます。普段社会生活をしていて違和感を感じている自分は黒沢くらい現実とかけ離れた存在にあこがれてしまいます。そして作中の登場人物の様々な視点から描かれる犬。薄汚れたのら犬ですが、一番度胸のある凛とした存在です。もっとも強いけど多くは語らない、というか犬なので何も語らない彼の存在はこの本の柱となる存在でした。
ありがとう寄稿。
このタイトルの続きになってくるのがかなり慎重にもなってくるのが分かるものです。なかなか感慨深くなってくるのも納得出来るものです。
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