前回馳星周の本を読んで、あまりいい印象はなかったのですが、今回短編集でチンピラと言うこれは中国語で書かれたタイトル「古惑仔」このような書き方で意味はチンピラという意味らしいです。
タイトルするのが変わった文字だったのと、馳星周の長編はちょっとさせておこうという意味で、短編を見つけたので読もうと思って手に取りました。
本来、僕は短編はあまり好きではありません。
どちらかと言うと長編小説、それも上下巻ではなく、1巻から5巻とか10巻とか、あるいはあるいは青春編、雌伏編、黄金編や完結編と言ったように人の一生を書きあげるような長編が好きなんです。
高校を卒業して最初に社会人として船に乗った時に、ある人から譲ってもらった徳川家康の50巻に及ぶ大長編小説を読んだのがベースにあるようです。
青春時代に星新一のショートショートも読んだことがありますが、私の読書の根底にある長編小説を 読むという 行為そのものを楽しむという感覚があります。
馳星周さんのチンピラという本を読むと、日本という国の中で東京都の新宿区の大久保という地域が、実は我々が感じているよりももっと外国に近い状態にある地域であるということが分かります。
本当にこのようなことが現実の東京、そして新宿の中で今も行われているのかと思うと怖い気がしました。
新宿という土地のことに関しては大沢在昌さんの、新宿鮫シリーズなどでも読んでいましたし、ある程度理解していたつもりですが。
この本の中に書かれている、治外法権のような新宿の大久保という地域の中で、日本人である女性が中国人やタイ人やマレーシア人の中に入って、生きている女性を描いているので大変興味があります。
でも本当にこのようなことが現実に行われているのでしょうか?
現実だとしたら大変恐ろしいことだと思いました。