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感想・書評『十字架:重松清』ネタバレ注意「いじめを止めずにいたクラスメイトのうちの1人が主人公」(レビュー)。 #読書

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【十字架】【重松 清】いじめの傍観者たち

この本でははいじめが原因で自殺をした男の子ではなく、その加害者の子達でもなく、いじめを止めずにいたクラスメイトのうちの1人が主人公となっています。私はこの手の本は何冊か読みましたが、傍観者側の視点で書かれた小説というのはこれまでに読んだことがなく、最初に手に取った時に思ったのは「斬新」でした。

そして、読み進めていくにつれ作者がこの本を通して伝えたいことを考えさせられるようになりました。正直、私の身近にも主人公と同じようにいじめを止めることで自分までいじめられるのが怖くて見て見ぬ振りをしたという人はいました。また、実際に自分がその立場になったとしてもきっと彼らと同じことをしたでしょう。それがいけないことだと頭ではわかっていても、です。しかしこの本を通して、たとえ直接手をかけていなくても、法律では裁かれることがなくても傍観者は加害者と一緒なのだと考えさせられました。いじめが多い今の世の中だからこそ、この本をいろいろな人にお勧めしたいです。