延命 2014/06/29 [12:53]
柳広司「虎と月」
読み終わってすぐ、元ネタである中島敦の「山月記」を青空文庫で読んでしまったので、「十代前半の読者向けのミステリー小説」というオーダーに対しては最高の仕事ぶりだと思う。
しかし、ふだん普通に本を読む習慣のある子がこれを読んで柳広司に興味を持って他の著作を読んだら、「そこまで子供向けを意識した文体にしてもらわなくても楽しく読めましたよ私たち!」って思いそう。
山月記は、「この男どこまでもあかんわ、なんでこの友達も流されて同情してるんやろう」くらいにしか思わなくて、学生時代に国語は得意だったはずだけどなんでできてたのか今となってはもうわからない。
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