この本は、金子みすゞの童謡集です。たくさんある詩の中でも「鯨法会」と「花屋のじいさん」言う詩が好きです。「鯨法会」の内容は、浜の人間界の様子と海での鯨の子の気持ちを描写しています。
浜では、漁師が羽織をきてお寺へ鯨を弔うお祭りをしていいるのだけど、海では、お祭りで寺からなる鐘の音を海の向こうで聞いている鯨の気持ちを描写しています。人間によって捕らえられて両親を思う鯨の子の様子の描写がなんともいえないのです。鐘が鳴る音はどこまで響いてどこで鯨が聞いているのかと想像させる句で終わっているのです。この本の中で一番考えさせられ心を打たれた詩です。もう一つの好きな詩は、「花屋のじいさん」です。この詩は町に花を売りに出かけて全部売れたけど、自分が育てた花がみんな売れてしまって日が暮れた小屋の中に一人でぽっちでさみしいなという詩です。だけど、お花は買ってくれたみんなのとこで幸せにしてるという軽快なリズム調で構成されてて、読んでいても楽しく気持ちを前向きにしてくれる詩です。