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感想・書評・津軽 太宰修 太宰は暗いイメージがあるが、本作品は明るく、太宰の中では特異な本と言われている。ネタバレ注意(レビュー)。 #読書

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恥ずかしながら、太宰の本を読んだことがあるのは、中学生の時の「走れロメス」のみで、その内容もあやふやでした。

今回たまたま青森の五所川原に行き機会があり、その際、太宰の生まれ故郷である金木町(旧金木村)に立ち寄り、太宰の生家である「斜陽館」を見学しとことがきっかけで、初めて太宰の作品を読んでみようと思い、比較的明るいといわれている、「津軽」を読みました。この本は、太宰が故郷青森を離れて東京で執筆活動をしている中で、3週間に亘って自分の生まれ故郷である地を、知人を尋ねながら旅をし、人々とのふれあいを通じて、改めて自分に向き合い、感じたことをそのまま綴った本であります。
 太宰の実家は、県内の大地主で、金融事業も手掛けていました。地元の農家等の人々にお金を貸し、返せなかった場合は土地を取り上げるという、今で言うところの「金融屋」のような環境で、子どもの頃生活をしていたこと、また、早くから母を亡くし、乳母に育てられ、その乳母も1年足らずで居なくなったため、幼年期から母性愛に飢えていたと思われます。この津軽の旅はこのような自分の過去を、清算するための旅でもあったと思われます。特に最後は、当時14歳で太宰の子守をしていた「たけ」を探し求めるところは、何とか再会できた時は、太宰の気持ちが、何か吹っ切れたような感じが伝わってきました。