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感想・書評・武士マチムラ・今野敏さんの本を読んで・ネタバレ注意「沖縄の空手家の人たちが,琉球に伝わると言われる空手の伝統を後世に伝えていく物語」(レビュー)。 #読書

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今回今野敏さんの新刊である武士マチムラを読んでみました本の題名から,江戸時代の侍の話を想像していたのですが,実際に読んでみると明治維新より前の時代の琉球王朝の時代,薩摩藩の圧制下にあった沖縄の空手家の人たちが,琉球に伝わると言われる空手の伝統を後世に伝えていく物語で、やがては空手という武道は全世界に伝わって行く礎となった人々の物語です。

題名の武士マチムラは、武士発音せずプサー沖縄の方言で選んだ方が相応しい言葉ですこのプサーとは当時の琉球王朝を守り使える役人で、手(これもテーと発音します)の使い手で、所謂琉球王朝の警固役人のことです。現在も当時も琉球すなわち沖縄はヤマト中である日本に虐げられたような立場であり、古くから交易の相手であった中国よりの考え方の人々の方が多かったようです。現在NHKの歴史長編ドラマで人気のある西郷どん。

実は当時の島津藩が救急すなわち沖縄を奴隷のように使って、彼らが中国ありは台湾との貿易の中で得た収益をほとんど鹿児島、橋島津藩が搾取していた事実が見えてきて、鹿児島に対する見方が従来とは、変わってしまったことは否めません。

島津藩は江戸幕府の目を盗んで、独自で中国などと交易を行い、藩の財政の立て直しを行ってきたかのように伝えられていましたが、この本の書かれていることが事実なら、なんとも見下げて藩ということになります。それにしてもさつま示現流に立ち向かった、この主人公の勇気はすごいと思いました。現在、世界中に空手が、流派を超えて拡がっていますが、その陰にこの主人公のような人々の働きがあったからこそだと、つくづく感じ入りました。今野さんの沖縄空手の話には「ぎちんの拳」という題名の本も読んだ記憶があります。

それも沖縄空手の糸東流を広めた人の話で、この武士マチムラの本の最後に出てくる「東京に出て沖縄空手を教える」若い空手家がそうだと感じました。