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感想・書評・書名:銀河鉄道の夜/作者:宮沢賢治・ネタバレ注意「ジョバンニのどこまでも純粋に誰かを思う気持ち」(レビュー)。 #読書

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貧しさの中でも母親を思いやる誠実なジョバンニとその友人であり人気者で心優しいカムパネルラが星々の織り成す銀河を巡る鉄道で旅をする物語です。
こういうと楽しい冒険譚のようなのですが、物語はどこまでも電車内での人々のやり取りで、そのやり取りはなんとなく薄く湿ったヴェール越しであるかのような儚さを孕んでいました。
死んでしまった人々との語らい、赤く燃え続ける蠍の心臓は我が身を惜しんでつまらぬ終わり方をした後悔であったり、友人であるカムパネルラ自身もまたいつの間にか鉄道の中でいなくなってしまいます。
ジョバンニのどこまでも純粋に誰かを思う気持ち、苦しんでいるらしい人のためならば自分がいっそ代わってやりたいという優しさは宮澤賢治自身がもつ優しさを反映しているようで胸が締め付けられます。
物語の中で銀河鉄道は死者の乗る鉄道だと分かっていくのですが、戻ってきたジョバンニと戻らなかったカムパネルラの終わり方、ジョバンニの孤独と深い愛情を思うとどこまでも涙が止まりませんでした。