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感想・書評「くまとやまねこ」 湯本香樹実・文 酒井駒子・絵・ネタバレ注意「死というものを子どもに教えるにもぴったりです」(レビュー)。 #読書

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仲良しのことりが死んでしまい、悲しみにくれるくまの描写から始まるこの絵本。死というものを子どもに教えるにもぴったりですし、大人が読んでもとても心に沁みる一冊です。
花びらを敷き詰めた木箱にことりを入れたくまは、それを肌身離さず持ち歩きます。人間でいうと、四十九日を過ぎてもなかなか納骨する気持ちになれずにずっと手元に置いてしまう心理かなと想像しました。出会った森の動物たちが、木箱の中身を見ると困った顔をして黙ってしまうのも、死というものを前に言葉を無くすあの感情を巧みに表現しているのでしょう。
暗い部屋に一人閉じこもり悲しむくまが、やがて外に出かけやまねこと出会い、また人生を前向きに進んでいく様子には涙が出ます。やまねこが奏でるバイオリンの音色がこちらにまで聴こえてきそうですし、モノクロの版画のような絵が本当に美しく素敵です。
昨日の朝もおとといの朝も「今日の朝」だね、という一文に胸打たれました。時が解決してくれるとよく言いますが、本当にその通りだなぁと感じる癒しの作品でした。