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感想・書評『ドラえもん物語~藤子・F・不二雄先生の背中~ むぎわらしんたろう』ネタバレ注意「作者は尊敬する先生と一緒に仕事をすることとなる」(レビュー)。 #読書

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ドラえもん物語~藤子・F・不二雄先生の背中~ むぎわらしんたろう 偉大なる漫画家のエピソードに涙

作者であり藤子・F・不二雄の最後の弟子と言われるむぎわらしんたろう先生藤子・F・不二雄の最後の仕事についてよく分かる作品です。まず読んでいて第一にわかるのは作者の藤子・F・不二雄先生に対する愛情です。

作者は尊敬する先生の名前の付いた「藤子不二雄賞」に15歳のころから応募して19歳で受賞することとなります。そんな矢先、藤子不二雄がコンビ解消となります。目標を失い意気消沈する作者ですが、解散に伴って新しく作られたF先生の会社に誘われます。そうして作者は尊敬する先生と一緒に仕事をすることとなるのですが、その頃の思い出が実に楽しそうに描かれています。作中でのエピソードでも、一緒に仕事をした話以上にたまたま乗り合わせたバスでF先生とばったりあったことだとか、一緒に演劇を見に行くときに立ち食いそばを食べた話なんかを実に楽しそうに描いているあたり、作者がそれだけF先生のことを好きで尊敬していることがよくわかります。そして次に思うのは藤子・F・不二雄という漫画家のすごさです。作者がF先生と働くようになったのはA先生とのコンビ解消後、ガンを患った後なのですが、規則正しい生活をしながら毎年大長編ドラえもんを書き、それ以外でも様々なSF短編を描きと実に精力的です。特に亡くなるその年の1月にはベトナムでの漫画出版の収益から「ドラえもん教育基金」という奨学金制度ができてその調印式に呼ばれたり、また亡くなる1か月前から始まった大長編ドラえもんでは、それまで自分でやっていたキャラクターへのペン入れをアシスタントにお願いするほど体調が悪いのに、その亡くなる寸前まで原稿を描いていたというのです。実に圧巻の一言です。私が子供のころ、ちょうどコンビが解消されたのですが、そんな偉大な漫画家の作品をご存命のうちに読めたことは自分にとって大変幸福です。仕事、そして自分の好きなものに対する向き合い方を考えさせられる作品です。