「鳥取砂丘の青い風」 吉村達也・著 中年男性のロードムービー
妻と二人の娘を持つ、全くふつうのサラリーマンが主人公です。夏休みの家族旅行で、つまらぬことで喧嘩になり、妻に家出されてしまいます。
会社からはリストラ宣言をされきれて、クビになってしまいます。
そこで主人公はどうしたか・・一人で各駅停車の旅に出てしまいます。今までずっと行きたかったのだ!今いかないでどうするのだと・・
道中で二人の道連れができます。旅先で出会ったキャバクラ嬢と、天才中学生です。それぞれに心に傷を抱えていたのです。
京都の清水の舞台で大騒動に巻き込まれて、その動画がユーチューブにあがり世間に広まったことにより、一応の解決をみることになります。
でもこの解決はハッピーエンドではなく、まだまだ波乱を含んでいるように思えるのです。
著者が鉄道の旅が好きなようで、各駅停車の旅の醍醐味がうまく描きこまれており、ロードムービーとしても良い仕上がりになっています。
さあこの問題がどのようにおさまっていくのか?の読者の興味を最後まで飽きさせずに引っ張る力のある物語になっています。