それを愛とまちがえるから 井上荒野 「夫婦のあり方について考える一冊」
ポップな表紙に引かれて購入しました。
タイトルを見て恋愛の内容なのかな、と思ってはいましたが、最初から重い内容で衝撃が走りました。
結婚生活15年の主人公、袴田 伽耶(はかまだ かや)の一言から始まる。
「あなた、恋人がいるでしょう」
いつもの日常の朝がその一言で一変する。
旦那の袴田 匡(はかまだ ただし)は、その後家を出た後、妻に電話でその返答をする。
「君もいるだろう、恋人」
タイトルと表紙で青春ドラマ的な想像を勝手にしていた私にとっては衝撃的でした。
言った当人同士が混乱しながらも、2人の話からお互いの恋人も巻き込んで話が進む。
未婚の私には夫婦生活がよくわからないが、15年も一緒にいたらそうなるのだろうか、と思った。
恋が愛になるのが結婚だと考えているけれど、この本のように結婚しても妻や旦那以外の人を好きになる可能性がないわけではない。
だとしたら結婚とはなんだろう、結婚したら2人の関係はどう変わるんだろう。
そんな事を考えた内容でした。
妻の一言で、何故か四人でキャンプに行く事に。
想像では修羅場になるはずのシーンが何回かあったのですが、夫婦ダブル不倫のせいか修羅場らしいシーンにはなりません。
「愛だとしても、愛の種類が違うんだ、たぶん」後半の匡のセリフが印象的でした。
「伽耶とはある種、同志みたいなものなんだよ」
お互いが不誠実な関係でありながらも、強い絆みたいなものを感じました。
昼ドラのような始まりについ熱中してしまい一日で読んでしまいました。
夫婦のあり方について考えてしまう一冊です。
☆今日のブログ飯(まどか☆マギカの小さい事故)
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