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感想・書評「阿蘭陀西鶴:朝井まかて・著」ネタバレ注意「井原西鶴」が、「好色一代男」を描いて有名になるまでの迷い・苦吟を、盲目の娘の立場から描いています(レビュー)。 #読書

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「阿蘭陀西鶴」 朝井まかて・著

俳諧師だった「井原西鶴」が、「好色一代男」を描いて有名になるまでの迷い・苦吟を、盲目の娘の立場から描いています。
盲目ですから、目で見ることはかなわないので、物音・気配・匂い・雰囲気からつかみ取ったものです。
それがとてもよくえががれていて、読んでいると情景が目に浮かびます。
もう亡くなってしまった母親から、家事をしっかりと仕込まれていますので、縫物からご飯作りまでこなしてしまう娘です。
お手伝いも来ますが、その娘の描写も目から以外の情報でうまく描かれています。
西鶴の娘は、父親が好きではないようですが、読み終わったときには、西鶴がどんなに娘のことを考えていたかがわかります。
目の見えない娘なので、いつも自分がしかめっ面をしていた、ということを人に言われて、やっと気づくのです。
目の見えない娘を主人公(語り手)として、設定した小説としては、出色の出来栄えだと思います。
江戸の暮らしも描かれており、時代小説としても、有名作家の一代記としても楽しめます。強い心を持った主人公です。彼女に「幸あれ」と、感情移入してしまいます。