海賊と呼ばれた男 百田 尚樹 信念を持った人はすごいですね
映画を見た後に、この本を読んでみました。
出光興産の創業者、出光佐三をモデルにしておりますが、非常に豪快に表現されている内容かと思います。
官僚や業界の統制、通例に対して反発しつつ独自路線で切り開いていくその姿勢は読者を惹きつける、百田尚樹のサクセスストーリーの表現の仕方が上手と感じました。
石油に惹かれ、事業として確立するかしないかで戦争に突入。そして敗戦。またその敗戦から立ち上がり、メジャー、大英帝国と闘い、遂に大型タンカーまで造り、世界を馳せる姿は将に世界に羽ばたく日本の躍進を彷彿とさせるものです。
しかし、このサクセスストーリーには数多くのサポートをする人、その人たちとの出会いも上手に描かれていると感じます。大恩ある日田重太郎に若き日の鐵造に見たのは商才かとの問いに対し、「鍛冶屋の作品を見たかった」との話は、難しすぎる表現でしたけど。
読者が己に投影し、特に夢と希望を持ち、未来に目を向けている人に対しては感動ストーリーになることでしょう。