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感想・書評「クリスマスを探偵と」 伊坂幸太郎・文・ネタバレ注意「マヌエーレ・フィオールさんという、有名なフランスの方が挿絵を描かれた共作」(レビュー)。 #読書

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マヌエーレ・フィオールさんという、有名なフランスの方が挿絵を描かれた共作となっています。大きさも文章の短さも絵本に近いのですが、内容は大人向けの短編でした。短時間で伊坂さんの世界観を堪能できる一冊となっています。
舞台はドイツのクリスマスの夜。探偵のカールは仕事でとある男を尾行していたのですが、公園のベンチでたまたま隣に座った謎の男に話しかけられるところから、物語はどんどん展開していきます。なぜだか謎の男相手に、自分の生い立ちをペラペラとしゃべってしまうカール。カールのあまり幸福とはいえない幼少期のエピソードは、社会の荒波を必死に生きる大人の自分の胸にも突き刺さります。
そして、カールが動向を探っていた男の正体がとても意外な人物でびっくりしました。推理小説のようにスタートする話が、いつのまにかファンタジーな話になっていくのはさすが伊坂さんといった感じでニヤニヤしてしまいます。伊坂作品からはしばらく遠ざかっていましたが、久々にまた読んでみたくなりました。