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「おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語」 宇江佐真理・著・ネタバレ注意「江戸の人情にあふれる短編集」(レビュー)。 #読書

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江戸の人情にあふれる短編集です。薬研堀・油堀・稲荷堀・源兵衛堀・夢堀・八丁堀それぞれのそばに住まう人々の物語です。
「おゆり」に弟の「勇助」ができました。「おゆり」は弟をとてもかわいがって育てました。
ある日「勇助」は、前世のことを言い出します。生まれた家、両親兄弟のことです。それがすべてその通りなのです。そばの「埋堀」を、「夢堀」と覚えていました。
自分は「ののさま」だと言い、姉の将来を言い当てるのです。自分で決めたのだからと、16歳で病を得てなくなります。
ちょっと不思議な話です。先祖のことを忘れてはいけない、お墓は大事に参らないといけないなど、江戸庶民の根底を押さえたうえでの、生まれ変わりの話です。
「また次の世もねぇちゃんと兄弟になるから」と言って、亡くなっていった弟のことを思いつつ、懸命に生きていく「おゆり」なのです。
5人の子供に恵まれ、孫たちに「ばばさま」と慕われる生涯になると、弟に言われたような将来が待っているのでしょう。
じんわりと暖かいものが根底に流れる話が詰まっています。