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感想・書評「続・下流老人:藤田孝典」ネタバレ注意「高齢者の貧困を救うために支援を手厚くするべき」「ヨーロッパを見習うべき」という指摘は(レビュー)。 #読書

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『続・下流老人』(藤田孝典):現実と理想と希望

高齢化社会の現状に警鐘を鳴らした『下流老人』の続編が『続・下流老人』です。本書は前回同様に高齢化社会の現状や働く高齢者の現実をあぶり出した上で、一市民にはいったい何ができてどのような社会を築くことができるのか、そのために藤田氏自身が何をしているのかが語られています。

いわば、今の日本の現実を見つめ、理想的な社会を考え、その希望に向かって行動する重要性を説いている1冊なのです。ただ、「高齢者の貧困を救うために支援を手厚くするべき」「ヨーロッパを見習うべき」という藤田氏の指摘は日本の若者軽視・日本とヨーロッパの差異を考慮しておらず、批判的にならざるを得ません。しかし、彼は彼なりの理想を体現するためにNPOを設立したり、本を執筆したりしているわけですから、何もしない人間よりもはるかに良いことは言うまでもありません。藤田氏は自らの考えに共鳴する仲間たちとアソシエーションを形成することが重要とも説いています。たしかに「こども食堂」や生協の見守りなど、現代日本にアソシエーション復活の流れがあることは事実です。こういう小さな活動から下流老人にならない社会を作れるのではないかと思います。