『ネットのバカ』(中川淳一郎):あなたも搾取されてます。
インターネットメディアの先駆者であり、ネットビジネス界隈では有名な中川淳一郎氏。そんな中川氏がインターネットの世界はどんなものなのかを実体験に基づいて語ったのが『ネットのバカ』です。中川氏はかつてエリートだけが使えたインターネットは今や誰にでも使えるものとなり、その結果、ネットはバカとバカを搾取する金儲けの手段となったと看破します。
そのバカを搾取する典型例がブログであり、ブログ運営はウェブ広告で成立しているため、PVを稼ぐ必要があります。そこでウェブユーザーという中毒者を集めるために、神経を逆撫でする記事を乱発し、彼らの時間をお金に変える。そしてウェブ運営者もPVを稼ぎ続けるネタを探してネットをさまよい、自分自身が搾取対象である中毒者になっていることに気づかない。今や全てのウェブユーザーは広告会社の搾取対象でしかないのです。他にもこれほど赤裸々にぶっちゃけていいのだろうかという内容がふんだんに盛り込まれています。「ネットよりも現実世界が大事」「ネットがあろうがなかろうが有能な人は有能なまま、無能な人はネットがあっても無能なまま」という中川氏の言葉は全人類が頭に刻み込むべき名言でしょう。