コンビニ人間 村田沙耶香 第155回芥川賞受賞作品
購入後、3時間ほどで一気に読んだ。こんなに夢中で読んだ本は久しぶりだった。
主人公は36歳の女性、未婚、大学卒業後一度も就職せず、コンビニ店員のアルバイトを18年続けている。
なぜ彼女はそんな生活をしているのか。それには「ある理由」があるのだが、ネタバレになるのでこちらでは割愛させていただく。
なぜこの物語はこんなにも人を惹きつけるのか。
それは、表現豊かな描写により人物や情景がありありとイメージ出来ることと
コンビニ含め、登場人物達があまりに身近に感じられるため、共感を呼ぶのではないかと思う。
そしてこの本を読んで痛烈に感じた事、それは「世間の目」について。
わたしたちの意思決定は世間をとても意識したものである。
主人公を取り巻く世界がそうであるように、いずれは自分もそのステージに立つのかと思うと、少し怖くなった。
アラサー(特に女子)に心ない言葉や目線を浴びせるのはやめていただい、という想いでこの本を全ての世代の方におすすめしたい。