『明治下層記録文学』(立花雄一):底辺層の姿が現代人に重なる
明治時代は日本が近代化を推進した時代にあたり、現代日本の基礎が形作られた時代として語られることが多く、旧時代の悪いところを乗り越えていった明るい時代だったかのように見えます。しかし、実際には新しい時代の到来や旧体制の崩壊によって、多くの底辺層に属さざるをえない人々が生まれていた時代でもありました。
そんな時代の矛盾に巻き込まれてしまった底辺層の実態を書き留めたルポタージュを取り上げたのが、『明治下層記録文学』です。困窮する農民・鉱毒で苦しむ村人・スラム街に住む労働者・女工への非人道的な扱いなど、読んでいくうちに明治時代という時代の暗部に引き込まれるようで胸が苦しくなっていきます。そして、彼らの姿がなぜかこれからの日本人の姿のようにも見えてきてしまいます。どうしてなのかは分かりませんが、なぜかそう感じてしまうのです。ルポタージュに書き留められた彼らを単なる時代の敗者とみなすだけでいいのでしょうか。思わずそんなことを考えてしまった1冊でした。
ありがとう寄稿。
日本のある分野が好きなあまり「日本オタク」といっていいくらいに打ち込んでくれている外国人の方を、実際に日本にご招待する番組です。ふと面白そうだったので見てみたのですが…。
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