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感想・書評「西鶴と浮世草子研究vol.4:諏訪春雄・広嶋進・染谷智幸 編):文学とセクシャリティ」ネタバレ注意・遊女や遊郭を題材にした文学作品が数多く生まれました(レビュー)。 #読書

読書感想
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『西鶴と浮世草子研究vol.4』(諏訪春雄・広嶋進・染谷智幸 編):文学とセクシャリティ

『西鶴と浮世草子研究』の4冊目。今回のテーマは性愛。性愛と聞くと卑猥なイメージばかりが先行しますが、それは江戸時代以降の認識に過ぎません。東アジアには遊女や遊郭が存在し、遊女や遊郭を題材にした文学作品が数多く生まれました。

染谷智幸氏が指摘するように西鶴の好色物も東アジアの文化の中でとらえ直すと、単なる性愛を描いた文学以上の意味合いを持ってくるのです。また西鶴の好色物で描かれる遊女は単なるセックスワーカーではなく、和歌・文学・音楽に教養ある人物として描かれています。事実、江戸時代の太夫は教養ある人物にしかなれない役職だったようで、私たちの遊女・遊郭理解がいかに偏見にまみれているかを本書は教えてくれます。そして、本書の一番の魅力は溝口健二監督・田中絹代主演の「西鶴一代女」がDVDに収録されていること。往年の名女優が西鶴の『好色一代女』を演じると、西鶴作品の世界が立ち上がってくるようで何とも言えない迫力がありました。昭和映画の名作だと思います。『西鶴と浮世草子研究vol.4』は性愛の多様性に目を向ける良書です。