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感想・書評「軍国美談と教科書:中内敏夫」ネタバレ注意・第二次世界大戦時、学校の教科書には様々な軍事教材が採用されていました(レビュー)。 #読書

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『軍国美談と教科書』(中内敏夫):教科書と戦争の不思議な関係

第二次世界大戦時、学校の教科書には様々な軍事教材が採用されていました。しかし、このような教材は必ずしも軍部による教育支配の道具ではなく、一般市民の軍隊生活や戦争体験を教育現場が利用した側面もあったのです。『軍国美談と教科書』は軍事教材を取り上げて、軍部と一般市民が軍事的な内容を巡って綱引きを繰り返していた実態を丁寧に暴いています。

戦争と密接に結びついた軍事教材は一般市民の教育と軍部の意向が決して無関係ではないことを示していますが、一方で一般市民から軍事教材への反抗が発生したり、戦後の軍部への検証がスタートしていることからは、戦争と教科書が簡単には説明できない複雑怪奇な関係だったことが読み取れます。しかも、軍事教材の中には美談の主を一般市民によって特定され、美談にふさわしい生活をしていないことが広まったため、教材から外された作品もあるのです。本書を読み進めるほど「いったい軍事教材とは何なのか」「一般市民と戦争を一口に語れるのか」「戦争と教育の関係は?」など、様々な疑問が湧いてきます。『軍国美談と教科書』は戦争と教育について、いろいろなことを考えさせてくれる本です。難解ですが、読む価値はあるでしょう。