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感想・書評「夜を乗り越える:又吉直樹」ネタバレ注意・何故本を読むのか?真剣に書いたもの(レビュー)。 #読書

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「夜を乗り越える」 又吉直樹:本って、本当に良いですね。

この本は、芸人であり作家であり読書家であるピース又吉さんが、何故本を読むのか? ということについて真剣に書いたものです。

その問いに対しては「楽しいから」に尽きる、と最初に記述しているんですが、普段本を読まない人に向けてどうして自分が本を読むようになり、本から何を得ているのかという点について自身の読書暦だけでなく生活の根本から、噛み砕いて非常にわかりやすく書いています。
読書で得られることの代表として、共感があげられます。この本にも、太宰治の「人間失格」を読んで、「これは自分だ」と思ったことから読書家へとなっていったということが書かれています。しかし、共感だけを求めてはいけないとも書いてあります。自分と同じだ、と思うことで、自分と違うから、と別のものを遠ざけて狭い世界に陥ってしまう可能性の危険さを唱えているのです。共感だけでなく、読書には新感覚の発見や、自分でもどう言い表したらよいのかわからなかったことを見つける感動があります。そのどう言い表したらよいのかわからなかったことは、ときには短かったり、またはまわりくどすぎるくらい長かったりします。
「純文学は知的なことをアピールするために難解にしたり、回りくどくしているわけではありません。必要だからやっていることです。一言では駄目なんです。あるいは、省略しまくった上での一言でないと駄目な瞬間もあるのです」と作中で主張している彼は、読んでいた小説の一行に心打たれて、この一節に出会ったことで後二年は生きられる、と感じたことがあるそうです。タイトルの「夜を乗り越える」は、明日死のうと思っている、そんなときに出会った本のわずかな部分で、その夜を乗り越えることができる、という意味合いが含まれています。その又吉さんの熱い思いにこちらまで胸を擽られる素晴らしい本です。