童話作家の早乙女が殺され,遺産相続人であるペットシッターの稲葉が疑われる。稲葉は早乙女が描いた本に出てくる主人公のモデルだった。
生きる意味をなくしている稲葉に未来をむいてもらいたいという思いと,感謝の気持ちも持っていた。けれど20年以上一緒に仕事をしていた編集長は,新しい本に入れられる謝意が自分ではなく稲葉で,しかも読者は主人公に自分の姿を重ねているので夢を壊さないでほしいという気持ちも裏切られて,早乙女を殺してしまった。気持ちのすれ違いから起こった殺人のような気がした。本に謝意は入れてなくても編集長には感謝していたと思うし,ドラマを観ていても早乙女が編集長を信頼している感じは伝わってきた。稲葉は生きることに無気力な誰でも持ちそうな空虚な気持ちを抱えて生きている青年だった。でも小細工をして遺産をもらおうとしていたので,お金はいらないといっていたけど8億円は欲しいんだと少しがっかりした。今回は科学よりも人の気持ちを中心に描かれていると思った。