ヨシタケシンスケさんの最新作絵本です。可愛らしくて眺めているだけで癒されるような絵柄の表紙ですが、中身は想像以上に深い内容で、笑えるというよりも考えさせられることが多くありました。
純真な子どもの目線で読むとまた違った感じ方になるでしょうし、大人が読んでも自分を見つめ直すきっかけを与えてもらえるし、やっぱりヨシタケさんの作品ってすごいなと感心してしまいます。
主人公である男の子は宇宙飛行士で、調査のために様々な星に行くという展開でストーリーは進んでいきます。たとえば目が後ろにもあるのが普通である人たちには「後ろが見えないなんてかわいそう」と同情されてしまい、手が4本ある宇宙人には「2本しかないなんて不便そう」と見られてしまいます。地球人である主人公の常識を覆す出会いがたくさんあるのです。いかに普段の自分が固定観念に縛られた考えでいたかを、思い知らされました。自分と同じだと思うと安心する気持ちは確かにありますが、一人として全く同じ人間はいないのですから、「あたりまえ」というのはその人の感じ方によって違って当然なんですよね。その違いを面白がれる余裕を持ちたいものだなぁ、と思いました。