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感想・書評『「ブローチ」 内田也哉子・文 渡邉良重・絵』ネタバレ注意「すべてのページがトレーシングペーパーのような薄紙」(レビュー)。 #読書

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作者の内田也哉子さんが樹木希林さんの娘だと知り、興味を持って手に取ってみた一冊です。
すべてのページがトレーシングペーパーのような薄紙なので、うっかり破いてしまわないように丁寧に取り扱わなければなりません。次のページが透けてうつるように工夫されており、凝った作りには感心しました。
どちらかと言うと、大人向きの絵本でしょうか。子どもが読んでもなんとなく深くまでは理解できないまでも記憶に残り、感受性を豊かにしてくれそうな気がするストーリーです。遠い昔には胸の真ん中にあったものが、長い長い人生を進むうちに見失い、それでもどんどん人生は続いていき、今日もまた感情に振り回されてしまう自分について考えさせられました。生きている限り逃れられない孤独感、むなしくなる気持ち、とてもよくわかります。なるほど、わけがわからないくらいの方が今を味わえるのかもしれません。でもまた気持ちが前を向く時も必ずくるわけで、自分も胸のブローチを大切にしたいと思いました。素敵な感性でつづられていて、とても優しい気持ちになれる作品でした。