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感想・書評『「ラプンツェル」 内田也哉子・文 水口理恵子・絵』ネタバレ注意「大人向きとも子ども向きとも言えない、独特のタッチで」(レビュー)。 #読書

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グリム童話「塔の上のラプンツェル」は様々なバージョンの絵本がありますが、これは大人向きとも子ども向きとも言えない、独特のタッチで描かれた一冊でした。

性的な表現は控えた文章でつづられているので、子どもでも安心して読めると思いますが、挿絵はカラフルではなく美しいモノトーンタッチになっています。子どもの頃読んだ際には、伸ばしに伸ばした髪の毛を高い塔から地面まで垂らし、それを縄ばしごのように使うということに恐怖を覚えた記憶があります。確かにインパクトのあるシーンだなぁと今でも思いますが、改めて読み返してみると、ただの悪役だとしか認識していなかった魔女もまた、深い孤独を感じていたんだということに気づきました。
やってきた王子様に向かって、「ラプンツェルはもういない」と告げた時の魔女の寂しげな微笑みを想像するだけで胸が苦しくなります。さらにはバラのトゲが目に刺さって王子様が失明してしまうというくだりはいかにもグリム童話っぽい悲惨さでしたが、大どんでん返しのハッピーエンドが救いでした。