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感想・書評「森のおくから むかし、カナダであったほんとうのはなし」 レベッカ・ボンド・作・ネタバレ注意「主人公のアントニオは、ホテルを経営する家に生まれた5歳の男の子」(レビュー)。 #読書

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我が子が通う小学校の図書館だよりで推薦されていたのを見て、手に取ってみた絵本です。全体的に暗いタッチの絵で描かれており、ひと昔前の美しいカナダの森の情景を思い浮かべながら読み進めました。
主人公のアントニオは、ホテルを経営する家に生まれた5歳の男の子。料理担当、掃除担当、薪割り担当など、そこで働く大人たちの仕事ぶりを実によく観察しています。がやがやと人でごった返す食堂、しきりの無い広い部屋で寝泊まりする皆の様子が、アントニオの目を通してとても楽しそうに見えますね。人と人との距離が近かった古き良き時代だったのでしょう。
そんな日々の中、山火事が起きて逃げ場を失った人々は湖へ逃げる事態となります。そこへ、普段から気配は感じていたものの一度も姿を見たことのなかった森の動物たちも、炎に追い立てられて共に湖へ逃げてくるのです。強烈な獣の匂いと息づかいを感じたアントニオの感情が、読み手にも迫ってきて胸打たれるものがありました。これがほんの100年ほど前の実話だということにも驚かされ、人間も動物も同じ生きものなのだと改めて考えさせられた一冊でした。