内容は病気もので、主人公の双葉が末期ガンを患い、余命2ヶ月を宣告され、それによって家族が再生していくストリーとなっています。命の灯火が消える前に、家出した夫を連れて帰って、家業の銭湯を復活させ、気が優しすぎる娘をいじめから救い出す母の姿は何者でもなく、愛に溢れていました。
死の前に、自分なしでも子供たちが生きていけるように、愛とムチで厳しく教えることもありましたが、なんとも言えない切なさがありました。やっと、家族が再生していく喜びを目に見て感じながら、それでも自分は死んでしまうのですから。
やっと幸せになれる場所を見つけたというのに。死ぬまでにやらなければいけないことを全てやり遂げだ双葉は、家族の前では涙を見せませんでしたが、病院では『死にたくない』と号泣しています。それが、母であるために双葉が最後まで貫き通した姿だと思うと涙が止まりませんでした。ラストを見たとき、このタイトルの意味がやっとわかったような気がします。文庫本を読んだ後に、DVDを見ると更に泣けます。