」で便利でお安く。ちょっと複雑な構成のミステリーです。一見何のかかわりもなさそうな３作品が、並んで出てきます。読む方は戸惑ってしまいます。
子供向けに見える「こうへいくんとナノレンジャーきゅうしゅつだいさくせん」留学している日本人の女子高校生が主人公の「メキシコ湾岸の切り裂き魔」
そして本の題名にもなっている「安達ケ原の鬼密室」です。
なぜこの三作品が並立して書かれていくのかは、始めの頃は全く意味が分かりません。実はこの３作品に共通したそれぞれのミステリーが成立するための「仕掛け」が、共通しているのです。
それは読み終わってみて、はっきりと気づかされます。読んでいる途中で、なぜにこの３作品が並べられていくのか？がわかってきたら、相当にミステリーを読み込んでいるミステリーファンと言えるでしょう。
それぞれの話の「謎」と説くことで、３作品に共通した「キーワード」が、わかってきます。そういうことだったのか！という、楽しい謎解きを求めて、楽しんで読んでほしいと思います。
