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「魚舟・獣舟」 上田早夕里・著 SF短編集・ネタバレ注意「くさびらの道」は、キノコの類が人間に取りついて、繁殖(レビュー)。 #読書

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SF短編集です。良くできた話が多く、SFであるとわかっていても、もしかしたら・・ひょっとしたら・・このようなことがおこってしまうのではと思わせる、力のある作品です。
一作紹介してみますと、「くさびらの道」は、キノコの類が人間に取りついて、繁殖していく話です。過去にも「マタンゴ」というキノコが人間に取りつき繁殖する話がありましたが、この話はもう一歩進んだキノコの話です。
人間に錯覚を起こさせ、亡くなった人を幽霊として認識させていくのです。主人公のところに、主人公の妹と交際していたという青年が現れ、すでに封鎖された地域となった実家に戻れると提案してきます。
二人して戻ってみますが、亡くなった両親、妹が幽霊になって現れます。青年には妹の幽霊しか認識できません。両親を知らないから認識できないのですね。
妹の幽霊に引き込まれた青年は、防護服を破り捨て、主人公の実家に残ると言い張ります。もう感染してしまったのですね。
主人公は、妻と子供のところに戻ろうと、歩きだしますが、あちこちから、道すがら、ずっと両親が・・妹が・・妻と子供までが幽霊として現れ、助けてくれ・・行かないでくれとすがるのです。さて・・どうなるのか?
他の作品も短編ですが、深くて怖い話です。