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著者はノーベル文学賞を受賞されました…感想・書評『日の名残り:カズオ・イシグロ』ネタバレ注意(レビュー)。 #読書

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日の名残り カズオ・イシグロ   著者はノーベル文学賞を受賞されました。

ノーベル文学賞を受賞したイギリス人(両親は日本人ですが)作家、カズオ・イシグロの著書『日の名残り』を紹介します。
これは1920年代~30年間程の物語です、イギリスの名家で執事をしているミスター・スティーブンスが現在と過去を軸にした物語です。
代々、執事の家系のミスター・スティーブンスは父も尊敬する品格のある理想の執事です。ある時、父が務めていた家を引退したのを機にまだ働いて優秀な仕事ができる父をミスター・スティーブンスは自分の雇主の家に紹介して一緒に働くことにしました、同時期に女中頭のミス・ケントンという女性も務め始めます。ミス・ケントンは非常に優秀で満足できる女中頭です、ある日そのミス・ケントンが尊敬する父のことを「ウィリアムズ、ウィリアムズ」と名前で呼びつけているのを聞いてしましました。尊敬する品格のある執事だった父を呼びつけにするにことに納得がいかず呼びつけて「ミスタースティーブンスと呼ぶこと、親子が揃っているときはミスタースティーブンスシニア」と呼ぶことを指示しますが、ミス、・ケントンは自分は女中頭であって下の身分の者をそういう風には呼ばないと固辞するのですが、半ば強引に承諾させます、それ以来ミスケントンは父親の仕事のミスをことごとく見つけては報告します、つまりオーバーワークだと言って聞かせるのです。が息子は過去の父の栄光があるので父が老いて昔のようには仕事がこなせていない、むしろミスも多くなっていることを見て見ぬふりをして日々を送っていたのですが、とうとうある日主人が客を接待してる場所で転んで倒れてしまうのです。
主人からもう父を執事の仕事では使ってはいけないと命令されてしまう、ミスター・スティーブンスは父に冷たく執事として仕事の引導を渡します。父は抵抗しますがそれでも執事として主人の命令を冷たく言い渡すのです。その後父はできるしごとを見つけては人一倍働くのですが、無理がたたり倒れて寝込んでしまうことになってしまいました、その時もミスタースティーブンスは雇先の接待やパーティー優先で父の元には居てやれません、その時親切に面倒をかってでてくれたのは女中頭のミス・ケントンでした。だれよりも自分の父の様子を見て感じて助言をしてくれていたことを知るミスタースティーブンスなのでした。父は間もなく亡くなりミスタースティーブンスとミス・ケントンは執事と女中頭としての絆を超えてお互いを気にしあうようになるのですが、真面目で仕事一筋のミスタースティーブンスは時としてミス・ケントンの気持ちを無視した態度をとったりします。月日は流れ現在はもう雇主もなくなりミス・ケントンも去って家はアメリカ人の富豪に買い取られています、その中でミスタースティーブンスだけは執事として4人だけの従業員で執事として仕事をこなす毎日です、時にはこれが執事の仕事?ということもやっています。そんな時アメリカ人の主人からアメリカに帰る間好きなところに遠出でもして来いと提案されるのです、何十年も家から遠く離れたこともなかったミスタースティーブンスは手紙をやり取りしているミス・ケントンに会いに行く決心をします。結婚してミスではなくなっているのですが、手紙ではうまくいってないと書いてあり自分の中ではまだミス・ケントンであること、幸せでないならまた一緒に働こうと提案しようと思っていることもろもろな思いを抱えて旅に出ていくのです、道中で現在の状況、30年間の過去のことを回想しながら、ミス・ケントンに会えるまでの数日間の物語です。執事という仕事に誇りを持ち働いてきた男が最後に見せる態度に思わず涙が出ました。悲しく切ない物語だと思います。ぜひおすすめしたいです。