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感想・書評『空蝉の夢 京の絵草紙屋 満天堂・三好昌子・著』ネタバレ注意「主人公は、侍としての過去を捨て、京で暮らす戯作者「月夜乃行馬」です」(レビュー)。 #読書

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「空蝉の夢 京の絵草紙屋 満天堂」 三好昌子・著

第15回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作品「京の縁結び 縁見屋の娘」で作家デビューした「三好昌子」の第2作です。
今回の主人公は、侍としての過去を捨て、京で暮らす戯作者「月夜乃行馬」です。女絵師「冬芽」の描く、哀しい思いを秘めた美しい絵に惹かれていきます。
忘れようとしている過去の自分の所業を、どうしても忘れきることができずに、それがもとで、友人が斬られ、自分も襲われてしまうのです。
過去の所業が、今、出会う人々につながっていくなんて・・因縁があるとしか思われません。まわりに暮らす人々のことを思いやることのできる主人公です。
過去の所業を、上からの命令であったから・・と、忘れきってしまうことのできない、優しさを持っている主人公です。そのために苦しむことにもなるのですが、それは仕方のないことでしょう。
すべてがおさまったときに、主人公の向かう先は「冬芽」の所でしょうか?二人で新しい落ち着き所を作り上げていくことができるのでしょうか?
続きが気になるところですが、余韻を残して終わるのが、良いのでしょう。なかなか良くできた仕掛けと、それを構成していくことのできる筆力を持っている作家です。この後の作品を楽しみにしています。