みんなの読書ブログ

みんなの読書記事を更新します。

スポンサーリンク

感想・書評『カルマ真仙教事件 下・著:濱嘉之』ネタバレ注意「地下鉄サリン事件、そして5億円の真相」(レビュー)。 #読書

【おすすめ情報】知らない人は損している!「アマゾン業務用ストア」で便利でお安く。

【カルマ真仙教事件 下】著:濱嘉之 地下鉄サリン事件、そして5億円の真相。

全3巻の最終巻。これまでの取り調べでは頑なに事件に口を開かなかった医師の森被告が突如口を開いた。そこから事件解決にむけて着実と進む警察庁と、独自に動く公安警察。そして同時に警察庁長官狙撃事件解決に向けて動く警視庁公安部だが、主人公の鷹田は上層部の方針に大きな不満を持ち…。

この物語はオウム真理教を題材とした小説で、主に地下鉄サリン事件や松本サリン事件など、実際にオウム真理教が起こした事件を公安警察目線で描いた小説です。著者の濱嘉之氏は公安警察出身で、オウム真理教に関する事件にも深く関わっていたことから、小説ではあるがどこかドキュメンタリー番組を観ているような気持ちになる作品です。またオウム3大事件をそれぞれ被害者目線、信者目線で描く作品はありましたが、警察目線というのはほとんどないという点でも、当時の事件を知る人も、知らない世代にとっても面白いと思います。ただし小説として読むには、やはりおおよその読者が今後の展開を知っているので読んでいてのドキドキ感はあまりありませんし、終わりがハッピーエンドでないことが分かっているのも、どこか寂し気がある小説であるのは間違いありません。それでも戦後最大の事件を、様々な形や目線でみるというのも、この国を語る上では必要なことかもしれません。