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感想・書評『文庫版姑獲鳥の夏 京極夏彦 京極堂』ネタバレ注意「デビュー作でもあります」(レビュー)。 #読書

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文庫版姑獲鳥の夏 京極夏彦 京極堂

古くからの言い伝えをなぞらえたような奇怪で恐ろしい事件を探偵たちが解決するミステリー小説で、京極夏彦のデビュー作でもあります。
普通のミステリーと異なるのは、探偵役が一人ではなく、依頼者と警察以外が全員探偵のようになっている点です。探偵たちは個性豊かで、彼らの掛け合いによってストーリーが進んでいくのを見ていると、読者もその場にいるような感覚になれます。
現実には考え難い事件が起きたとき、世間では呪いだとか祟りだとか妖怪の仕業だとか言われることがあります。それによって、差別や迫害などが起きてしまうことは、人類の歴史上何度もあったことだと思います。この物語では、そういった誤ったステレオタイプを捨て、現実に目を向けて事実は何なのかということを知る必要がある、ということを作者が訴えているのだと思いました。祟りや呪いを引き起こすのは人知の及ばない得体の知れない何かではなく、勝手な妄想や噂によって恐怖を抱く人間自身なのだと、物語の中では何度も言われています。
また、作品中で繰り広げられる科学的な推理と古来からの陰陽道的な推理の合わせ技が大変興味深く、非常に面白い作品でした。