やがて哀しき外国語 村上春樹 素の春樹を見られます
元々村上春樹がとても好きでノルウェーの森、海辺のカフカなど代表作といわれるものはほとんど読んだのですが今回初めてエッセイを読みました。アメリカで生活する模様を面白おかしく書かれていて小説とはまた違った感覚で読めます。
ジャズが好きで自らジャズ喫茶を経営したこと、小説家との二足のわらじをはくことが心身ともに疲れ果てたこと、イタリアでの生活以来車での生活が中心になっていること、アメリカではフォルクスワーゲンに乗っていれば変な目で見られないこと、などなど独自の視点で淡々と生活が描かれています。彼の作品はどれも不思議で幻想的でオリジナリティにあふれまたとても残酷なシーンも数多くあります。そういった作品をこうした平凡な生活の中から描かれていたのだと思うとまた違った目線で読むことができそうです。なかでも興味深かったのが彼の奥様のことが書かれていたことです。ネットなどで彼自身のことを知ることはできたのですが奥様がどういった方までは知らずにいたのですが本人からしっかり述べられていました。これを読んでいると村上春樹は実は表面的には平和的でのほほんとしているのかなと想像してしまいます。もちろん実際のところはわからないのですがそんな姿を思い浮かべながら改めて彼の小説を読んでみたらまた違った感覚で読めるのではないかと思います。