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感想・書評『なぜ企業は不祥事を繰り返すのか:樋口晴彦』ネタバレ注意「実例で学ぶコンプライアンス」(レビュー)。 #読書

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『なぜ企業は不祥事を繰り返すのか』(樋口晴彦):実例で学ぶコンプライアンス

日本企業は安心安全で倫理観も高いという神話が随所でほころび始めています。本書で取り上げられるアクリルフーズの農薬混入事件・NHKのインサイダー取引・オリンパスの不正会計・ベネッセの顧客情報流出などを覚えている方も多いと思います。

この本の中で筆者は企業の不祥事の原因がコンプライアンスとリスク管理不足にあるとして、具体的な不祥事の事例と経過、原因のフローチャート化をした上で問題点をあぶり出して総括していきます。読む前は有名な事件ばかりを扱っているため、すでに原因は分かっていると思っていましたが、実際には報道されなかった要因が複雑に絡み合って事件が勃発していたことを知り、本当に驚かされました。しかも、事故を起こした要因のいくつかは自分の会社にも見られるものだったのです。つまり、いつ不祥事が起こってもおかしくない状況と言えるのです。本書は企業の不祥事はどの会社にもあり得ることであり、コンプライアンス部門を設けたり、企業倫理を徹底するというお題目だけでは何ら解決しないという現実を突きつけます。本当に企業の不祥事を予防するためには不祥事のメカニズムを知らなければならないというメッセージが込められた本書は、経営者・従業員必読の本と言えるでしょう。