「いのちの車窓から」 星野源・著
星野源さんの最新エッセイ集です。
ここ1~2年で大注目の有名人になりましたが、忙しい怒涛の日々を落ち着いた目線でとらえた誠実な文章が綴られています。星野源さんの本を読むのは「蘇える変態」に続いて2冊目ですが、下ネタなどは控えめでずいぶんおりこうさんになった印象を受けました。
多面性があるのが人間の魅力だと思うし、私はどちらの星野源さんも大好きですが、この本は彼をよく知らない人でも十分に楽しめる内容ではないでしょうか。
クリエイティブな仕事をしているだけあって、想像力が豊かな人なんだなぁと感心してしまいました。頭の手術を受けて以来、自分という巨大ロボットを星野源の精神が操縦しているような感覚がある、というエピソードはとても興味深かったです。情緒不安定だった10代20代を経て、人生を楽しく感じられる立ち振る舞いを自分なりに身につけたという話には、同世代として共感できるところがありました。
これからも、芸能界という特殊な環境の中で普通の感覚を持ち続け、それをファンに発信し続けてほしいと思います。